【ジョジョの元ネタになったドラマー】ビル・ブルーフォードのドラムを聞いてプログレや変拍子を楽しもう!【イエス/キング・クリムゾン】

最近は変拍子を使った曲を聞くようになったよ!
変拍子の曲って、何度も聞くうちに心地よくなっていくよね!

皆さんも「変拍子」に惹かれた経験はありませんか?

ドラムを練習していくうちに、通常ロック・ポップスでよくみられる4分の4拍子ではない「変拍子」のビートを演奏してみたいという願望も出てくるのではないでしょうか。

シンコペーションを感じながら身体を揺らすだけでも、悦に入ることもあるかもしれません。

では、変拍子ビートと言って名前があがるドラマーとは誰でしょうか?

日本だけに限らず、海外でもたくさんのドラマーがいますが、今回は呼吸をするように自然な変拍子のビートを成し遂げたドラマー「ビル・ブルーフォード」について紹介します。

ビル・ブルーフォードは、ブリティッシュ・プレグレッシブ・ロックの代表的バンドの屋台骨を支えた職人とも言えるドラマーです。

プログレ2大バンド「イエス」「キングクリムゾン」を支えたドラマー

彼の名を知らずとも「イエス」「キングクリムゾン」というプログレ二大巨塔のバンド名をご存知の方は多いでしょう。彼はなんとその両方に所属していた名ドラマーです。

ビル・ブルーフォードの凄さは「作曲者の意図を汲みとる力」

「イエス」(1969-1972に第一次在籍、その後に一時復帰。バンド代表作である『こわれもの』『危機』のレコーディングに参加)が構築美の音楽性と称するならば、「キングクリムゾン」(1972-1998在籍、同バンド第3期。参加アルバムもバンドの代表作『レッド』『ディシプリン』などに多くの音源に参加)は即興性・インプロビゼーションを重んじたサウンドが魅力のバンドと考えています。

いわば両極端の指向性があるバンドですが、そちら2つのバンドの作曲者の意図を汲み、曲想に沿った演奏をして作品を残したというキャリアだけでも、ビル・ブルーフォードの凄さがわかるでしょう。

意図を汲み取るだけでなく、自己を殺した演奏のできる職人気質なドラマーであったのは疑いようの無い事実。

これはプログレ2大バンドを支えたということからも明らかです。

脱退後のイエスでは変拍子の曲が極端に少なくなっており、ビル・ブルーフォードのアイデアマンとしての側面が伺えます。

ドラマーとして「影の立役者」としても優秀だった

そして、性格的にも気難しいであろうバンドメイトと渡り合ったというのも尊敬できる部分です。

音楽・芸術という分野では必ずしも悪いことではありませんが「プログレという一筋縄ではいかない音楽をする」ということは、それなりに個性的なメンバーが集まります。

例えば、キングクリムゾンのロバート・フィリップは、時に強すぎるリーダーシップを発揮する場面もあったそう。

そのワンマン気質の性格の彼を上手く支えたのはビル・ブルーフォードだと語る人も少なくありません。

音楽には職人気質でありながら、バンドという組織を支えるという面倒臭い部分を上手にやり過ごした人間性には感服です。

彼が「ミュージシャンズ・ミュージシャン」として、他のドラマーへの影響力が強い理由のひとつに挙げられる部分ですね。

活躍の幅は2大バンドに留まらず、日本でも大活躍!

2大プログレバンドで活躍した後は、「ジェネシス」のツアーメンバーや「U.K.」の結成など、イギリスプログレッシブロックの歴史を裏の立役者であるドラマーとして作っていきました。

ジャズロックの分野では、自身の名前をつけた「ブルーフォード」での活躍が有名です。

彼自身が精力的に作曲に携わったアルバムのひとつである『One Of A Kind』は特に名盤の一つとして挙げられます。

このほか、フュージョンバンド「アースワークス」でも活躍。

他のミュージシャンとのセッションや制作などの機会も多く、日本人では「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」でのワールドツアー・サポート・ギタリストとしての活動や多岐にわたる活躍でしられる渡辺香津美さんと共演、アルバム制作を行っております。

しかしながら、還暦を過ぎた2009年に「ライブ活動からのを引退」を宣言。その後はクリニックなどで後進の育成に励んでいます。

引退後も「ビル・ブルーフォードらしさ」は衰えず

彼が60代でライブ活動から引退したのは前述したとおりですが、その背景にはローディーやマネージャーを一切雇わず、ツアーでの飛行機チケット手配まですべて自分1人で賄う、という徹底的な個人主義を持った人物だったのも理由の1つかもしれません。

「要塞とも言えるセッティングを自分1人でずっとやっていた」と考えますと、音に対する責任をすべて自分で負いたかったのはないではないでしょうか。

責任感は生活面でも現れますし「マネジメント管理を自分でした」というのも彼のストイックな姿勢が伺えます。

体力面での限界が60歳までだ、と考えたのが彼のライブ活動引退の理由の一つであるのは疑いようのないところでしょう。

また、彼は『ビル・ブルーフォード自伝: イエスとキング・クリムゾンを叩いた男』を書いており、邦訳版も発売されています。

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彼の生き様に轢かれた人は、必見の書籍です。

2012年には同書の発売プロモーションのため来日、また2017年にはブルーフォード時代のキャリアを包括したらBOXセットを発売しました。

楽曲が持つ音楽性に対応したドラムセッティングと奏法

彼の奏法の大きな特徴は、黒人音楽系のグルーヴを一切感じさせないドライで硬質なスタイルでしょう。

ビル・ブルーフォードのドラムの特徴。

グルーヴィーな「揺れ」は感じさせず「カーン」と甲高いスネアサウンド。

後述する機材しかり、ビル・ブルーフォオードは知的なサウンドメイクをされています。

その立役者となったのが日本のドラムメーカーである「TAMA」。

彼は長年TAMAのドラムセットを愛用していました。

スネアサウンドはハイピッチでノーミュートリムショット、そして楽曲によってはスティックを逆に持ってチップなしの部分で演奏しており、こちらで音ヌケをよくしているのが特徴です。

これは音響設備・PA技術が整っていない頃に、キチンとリズムの音が観客に聴こえるようにするために考えられたものだそうです。

楽曲としても繊細な演奏を求められており、パワーで押し切る訳にもいきませんから、オープンリムショットを多用したのはそうした背景もあります。

「単純なビート」を好まない側面も

ビル・ブルーフォードは、スクエアなエイトビートを用いないこと、またテクニカルゆえに「ジャズというにはロックすぎる、ロックというのにはジャズすぎる」という評価する批評家もいました。

そもそもジャズ指向の考え方があるところから、リズムもガッチリとタイトな演奏でありませんでした。

しかしながらそれは、いくぶんかの余裕を保ち、曲に合った演奏をした結果として持たれた評価に過ぎない、と筆者は考えています。

彼は「単純さ」を好みませんでした。

事実、イエスの後任のアランホワイトからの新曲は変拍子の曲が少なくなっていることからも、彼の音楽性の深さを感じさせます。

自由なアイディアを盛り込み、時には楽曲にダイナミックな曲展開を促すパワーをもたらせたという先駆者的存在になったのは彼の偉大な功績です。

プログレ特有のめまぐるしいビートや拍子の変化に対応しながら、パラディドルなどを多用したテクニカルアプローチは必見です!

ビル・ブルーフォードのおすすめ動画

この動画では2分42秒以降より電子ドラムパッド「シモンズ」によるソロもみられます。
立ち上がって数多くのパッドをスティックで、時には指で演奏するところがショウマンシップの旺盛さを感じさせますね。

この動画内では曲中で両手でタンバリンを持つ奏法も見られます。

演奏中に音程を変化できる「ロート・タム」や、電子ドラムやパッドがメーカーから出てから積極的に使い始めたアーリーアダプターとしても有名で、それらのパイオニア存在として知られています。

「シモンズの最初で最後の使用者」と呼ばれているほどです。

これらドラムのセッティングも時代によって時にはハイハットを設置せず(!)、パーカッシブなサウンドを高めるためにTAMAの「オクタバン」をあたかも要塞のようにセットしたりと、独創的なアイディアを盛り込んでおります。

「楽曲に必要なものはなんなのか」を突き詰めた結果としてそうなったのでしょう。良い意味でこだわりを持たない音楽性第一だった彼の姿勢が伺えます。

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イエスや、キングクリムゾンはもちろん、時代を追いながら音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか?

名前の誤表記が「ジョジョの奇妙な冒険」との縁を作った!?

ジョジョと言えば『Roundabout』。今だと「To Be Continued」と言った方が伝わりやすいかもしれませんね!笑

自身は「キャラの元ネタ」に。イエスは「エンディング曲」に。

「ビル・ブルーフォード」の名前ですが、日本国内でのメディアは当初「ビル・ブラッフォード」という誤表記が浸透してしまい、当人は非常に困惑したそうです。

何度も表記の修正を願った結果、原音に近い「ビル・ブルーフォード」表記が2020年現在は主流となっています。

また、ブラッフォードは荒木飛呂彦さんの漫画『ジョジョの奇妙な冒険』にも縁があります。

第一部「ファントムブラッド」の登場人物「黒騎士ブラフォード」の名前の元ネタとしても知られています。

同作品第一部・第二部のアニメのエンディング曲では、作者の強い希望により「イエス」の代表曲である『Roundabout』が用いられています。

ビル・ブルーフォードからプログレや変拍子を聞いてみよう!

ビル・ブルーフォードは個人としても才能ある音楽家であったのは間違いありません。

それは今回紹介してきた通りです。

また、彼のキャリアを追ってきたことで、プログレッシブ・ロックに興味が湧いたのではないでしょうか?

他楽器との音の重なり方、アンサンブルについても深く注意して、動画を観て、聴いてみてくださいね。

変拍子」はあくまで「数多くの音楽の表現形態の一つ」。なかなかとっつきにくいジャンルですが、聞かず嫌いにならず、ぜひ一度聞いてみてください!